金継ぎをやりはじめたのは昨年の5月。
それ以来、ほぼ毎日金継ぎしたり、金継ぎのことを考えています。
まだまだ素人ですが、8か月経って少しずつ大切なことに気付いてきました。
金継ぎは、ただ壊れたモノを直せばよいのか??
…ポイするよりはとってもいいと思います。
大量生産・大量消費の時代に、一つのモノを大切に長く使い続ける…Sustainableな社会づくりに貢献していると思います。
しかし私は「自分流」を突き詰めるために、少し奥へ行こうと決めました。
金継ぎで必須の材料、うるしについて考えました。
私ははりよ金継ぎ教室に通っていることもあり、ほぼ全ての材料ははりよさんで購入して使用しています。
中国産なんですね。どのうるしやさんも、どこ産のうるしか、しっかり明記しています。
日本産もあります。日本産の生漆は「生正味漆(きじょうみ・うるし)」と呼ばれます。
国産・中国産の値段の比較
国産の方が、高いんです。
私が師匠から習っている金継ぎでも、全ての工程で国産を使わず、最後の紛固め(ふんがため)という工程のみ生正味漆を使い、他は中国産の生漆・木地呂漆を使っています。
師匠によると生正味漆は「しまり」がいいので、最後の工程に適しているのだそうです。
生正味漆がどれだけ高価かというと…
東京都・御徒町にある 播与漆行 (はりよしっこう)さんでは
中国産生漆 40g 1000円( 1g 25円 )のところを
国産生正味漆 35g 4,400円 ( 1g 125.7 円 )
グラム単位で値段を比較すると、、生正味漆は生漆の約5倍!!!!
他のうるし屋さんの生漆を比較してみると
福井県にある箕輪漆行
上生(中国産)100g 2,090円 (税込)
生正味(きじょうみ) 100g 10,450円 (税込)
…やっぱり約5倍の値段!!!
国産を使いたいと思っても、ビギナーや、手仕事で生きていく職人さんがなかなか手を出せない?のはこのためでしょうか…
国産の漆の現状と浄法寺漆
浄法寺漆(じょうぼうじうるし)とは、主として岩手県二戸市浄法寺町を本拠として活動する漆掻き職人が、岩手県北や青森県南部、秋田県北東部の漆の木から採取した生漆(きうるし)をいう。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 浄法寺漆
日本国内で使用される漆の98%以上を中国からの輸入に頼る中で、浄法寺漆は、日本一の生産量(国産の約7割)と高い品質を誇る。
国産漆 は日本に流通している漆のたった2%なのですね。
また、その7割が岩手県の浄法寺漆だったとは‼
ちなみに国産漆 浄法寺漆チューブ 生漆100グラム は
Amazonで13,500 (税込) +配送料、楽天で14,850円 (税込) +配送料 。(2019年1月現在)
前述のうるしやさんより、少し高めのお値段。
しかし、浄法寺漆チューブは超ミニサイズの5gから、10g, 50g, 100g, 200gと様々なサイズがあります。
全国の金継ぎストとインタビューをして
全国の金継ぎストとインタビューをしていくうちに、金継ぎだけでなく、漆を取り巻く環境について知るようになりました。
漆の木は14~15年育てて漆を取った後、1年で伐採されるんです。
漆はほんの少ししかとれない、大変貴重なもの。
金継ぎストさんの中には、日本産の漆の需要を高めて、漆の木をもっと育てたいと、高くても国産の漆を使う方もいらっしゃいました、
ここで金継ぎは漆とは切っても切り離せない技法ですが、1年に数百個の金継ぎをしている職人さんでも、そんなにたくさんの量の漆を使わないんです。
確かに、欠けや割れた面に塗るだけですので…
私も生漆40gチューブを購入しましたが、余っています…金継ぎしまくっても、1年で使い切れるかなぁ???
浄法寺漆を買ってみた
まずは超少量ですが、 浄法寺漆産業の生漆5グラムチューブ を購入してみました◎(はりよの生漆がまだまだ残っているので…)
これぐらい小さい量なら、使うたびに液垂れも防げるし、ちゃんと使い切れます!!!
同封されていたパンフレットに記載がありましたが、漆の種も買えるそうです。
漆産業を盛り上げる、面白い取り組みですね。
最後に
今後も金継ぎを楽しむだけでなく、この産業に関わること全般に勉強し、若い世代に伝えていきたいと思いました。
知っててやるのと、知らないでやるのでは、面白さが違うはず! (๑•ω-๑)
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